債権回収会社から請求されたら

消費者金融やカードローンなどの借金を滞納したままでいると
債権回収会社(サービサー)から請求の手紙や電話が届くことがあります。

債権回収会社(サービサー)とは?

債権回収会社とは、借金の回収を専門とした会社のことです。
消費者金融やカード会社や信販会社は、約束通りの元本や利息の支払いが得られず回収困難(不良債権化)となった債権に対して
兼ね合いでコスト的に見合わないと判断されると、債権回収会社へその債権を譲渡することがあります。

債権回収会社は、消滅時効が成立しそうな債権であっても、かまわず請求で行ってきます。
債権回収会社から督促状が届いても、そのまま真に受けて借金を返済しないことが重要です。

また、督促状をそのまま放置しておくことも要注意です。

もし、「特別送達」などの裁判所を通した督促状であれば、差押えの対象となるため、速やかに専門家に相談することをおすすめします。

時効完成後の請求に注意

消費者金融やカード会社などの商取引によって生じた債権(商事債権)の時効期間は原則5年(商法522条)です。
消滅時効は、債務者がそれを主張することではじめて効力を持ちます。

つまり、債務者が消滅時効の援用(主張)をしない限り、どれだけ時効期間が経過していても時効は完成しません。
そのため、債権回収会社は、自社が保有している債権に対して請求を行います。
この請求の目的は、債務者の時効を中断させることです。

債権回収会社の請求に応じて借金を返済してしまうと、時効中断事由の一つである債務の承認に該当します。
一部債務の返済であっても、時効中断の効力は全体に対して生じるため注意が必要です。

債務を承認した場合、今まで経過していた時効期間はリセットされ、返済日の翌日から新たに10年の時効期間が進行します。

支払督促と催告

支払督促

支払督促とは、訴訟という方法をとらず、裁判所から債務者に督促をしてもらう制度です。
債務者は、送達された支払督促に対して承諾しない場合は、2週間以内に「督促異議の申立て」をすることが出来ます。

「督促異議の申立て」をせず、2週間が経過すると「仮執行宣言」となります。
この仮執行宣言付支払督促は、債務名義を取得することとなり、送達後2週間が経過すると強制執行を行うことが可能になります。
異議申立てを行った場合は、通常の訴訟に移行することになります。

この裁判所からの支払督促が届いたら注意が必要です。
「異議申立て」をしてしまうと、既に時効が完成している、もしくは時効の完成に差し掛かっている時効が中断してしまうからです。
つまり、消滅時効の援用を行うには、債務名義が取られた時点から、さらに10年が経過しなければならないのです。

催告

催告とは、裁判所を通さずに請求する行為です。一般的には、内容証明郵便や電話などで催促されます。
催告は、支払督促とは異なり、時効中断事由に該当しません。
催告には、消滅時効を6ヶ月延長する効力がありますが、6ヶ月以内に支払督促などの時効中断事由の手続きをとる必要があります。

債権回収会社を騙る架空請求

債権回収会社(サービサー)を名乗る悪質業者が存在します。
本来、債権回収会社は法務大臣の許可を得て営業をしていますが、悪質業者は正式な回収会社の名前、またはよく似た名前を騙り架空の債権を請求してきます。

よくある手口としては、突然ハガキや手紙で身に覚えのない請求をしてくるというものです。
全く心当たりのない内容であれば、絶対にこちらから連絡することは避けましょう。

「もしかして?」と少しでも心当たりがある場合は、自己判断で行動するよりも専門家に相談してみることをおすすめします。